海外輸送や輸出入を行う際、必ず必要になる書類がインボイス(Commercial Invoice)です。
しかし、
- インボイスには何を書けば良い?
- 品名はどこまで詳しく書く?
- 無償サンプルでも必要?
- 通関で止まらない書き方は?
など疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、インボイスの基本から記載方法、よくあるミスまで実務ベースで解説します。
インボイス(Invoice)とは?
インボイスの役割
インボイスとは、輸出入される貨物の内容・数量・価格・取引条件などを記載する書類です。
なぜ輸出入で必要なのか
税関はインボイスをもとに、貨物内容・価格・関税・輸入規制などを確認します。
Commercial InvoiceとProforma Invoiceの違い
Commercial Invoiceは実際の取引に使用される正式な商業送り状です。一方、Proforma Invoiceは見積書や仮インボイスとして使われることが多い書類です。
インボイスに記載する必須項目
Shipper(輸出者)
貨物を発送する会社名・住所・連絡先を記載します。
Consignee(輸入者)
貨物を受け取る会社名・住所・連絡先を記載します。
Invoice Number
社内管理用のインボイス番号を記載します。
Invoice Date
インボイスの発行日を記載します。
Description of Goods(品名)
貨物内容を具体的に記載します。曖昧な品名は通関確認の原因になります。
Quantity(数量)
PCS、CTNS、SETSなどの単位とともに数量を記載します。
Unit Price・Total Value(金額)
単価と合計金額を記載します。無償貨物でも通関用価格の記載が必要になる場合があります。
Country of Origin(原産国)
貨物が製造された国を記載します。
HS Code
可能であればHS Codeを記載すると、通関がスムーズになる場合があります。
Trade Term(インコタームズ)
EXW、FOB、CIF、DAP、DDPなどの貿易条件を記載します。
インボイスの記載例
| Description | Qty | Unit Price | Total |
|---|---|---|---|
| CNC Machine Parts | 10 PCS | USD 100 | USD 1,000 |
品名(Description of Goods)の書き方
NG例
- Parts
- Sample
- Goods
- Accessory
OK例
- CNC Machine Parts
- Automobile Spare Parts
- Industrial Robot Components
- Stainless Steel Bracket for Machinery
税関が確認しているポイント
税関は、品名・用途・材質・価格・原産国・HS Codeなどを確認します。品名が曖昧だと追加確認になる可能性があります。
無償サンプルでもインボイスは必要?
サンプル品
無償サンプルでも、通関用価格を記載したインボイスが必要です。
修理品
修理品の場合も、貨物内容・価格・修理目的などを明確にする必要があります。
展示会貨物
展示会貨物では、ATA Carnetや一時輸出入書類が必要になる場合があります。
ATA Carnet貨物
ATA Carnetを使用する場合でも、輸送会社や現地確認用にインボイス情報が必要になることがあります。
インボイスとパッキングリスト(P/L)の違い
| 項目 | Invoice | Packing List |
|---|---|---|
| 金額 | 記載する | 通常記載しない |
| 数量 | 記載する | 記載する |
| 重量 | 記載する場合あり | 記載する |
| サイズ | 通常記載しない | 記載する |
インボイス作成でよくあるミス
品名が曖昧
Parts、Goods、Sampleだけでは貨物内容が分かりづらく、通関確認の原因になります。
金額未記載
無償貨物でも、通関用価格の記載が必要です。
数量違い
InvoiceとPacking Listの数量が一致していないと確認が入る場合があります。
原産国違い
原産国の記載ミスは、関税率や原産地証明に影響する可能性があります。
HS Code間違い
HS Codeが誤っていると、関税率や輸入規制確認に影響する場合があります。
インボイスで税関検査になるケース
価格が不自然
市場価格と比べて極端に安い・高い場合、税関確認になることがあります。
品名が曖昧
貨物内容が判断できない場合、追加資料の提出を求められることがあります。
書類不一致
Invoice、Packing List、AWB、B/Lなどの内容が一致していない場合、確認対象になることがあります。
危険品関連
リチウム電池、化学品、スプレー、液体などはSDS確認が必要になる場合があります。
インボイス作成時によくある質問
インボイスは日本語でも良い?
国際輸送では英語表記が一般的です。海外税関や航空会社・船会社が確認するため、英語で作成することをおすすめします。
HS Codeは必須?
必ずしもすべてのケースで必須ではありませんが、記載があると通関確認がスムーズになる場合があります。
サインは必要?
国や取引条件によっては署名が必要になる場合があります。
PDFで提出できる?
多くのケースでPDF提出が可能ですが、国や案件によって原本が必要になる場合もあります。
海外輸送前にインボイスを確認する重要性
- 通関遅延を防ぐ
- 税関検査リスクを減らす
- 輸送スケジュールの遅れを防ぐ
- 関税トラブルを防ぐ
- 必要書類の不足を防ぐ
特に、初めて輸出入を行う場合や、危険品・リチウム電池・機械・展示会貨物などを輸送する場合は、事前確認が重要です。
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