【図解でわかる】FOB・FCA・EXW条件の違いと、海外から輸入する際の注意点とは?

海外から商品を輸入する際に避けて通れないのが、

「貿易条件(インコタームズ)」の理解です。

そして、FOB・FCA・EXWなど輸入者が

フレイトを支払うタームの場合、

物流コストやスケジュールを管理しやすくなります

が一方で注意も必要です。

この記事では、FOB・FCA・EXW条件の違いと、

輸入者としてのリスク・コスト負担のポイントを、

初心者にも分かりやすく解説します。


目次

  1. インコタームズとは?

  2. 輸入時によく使われる3大条件(FOB・FCA・EXW)

  3. FOB(Free On Board)条件とは?

  4. FCA(Free Carrier)条件とは?

  5. EXW(Ex Works)条件とは?

  6. 各条件で変わる輸入者の「やるべきこと」

  7. 海外から輸入する際のおすすめ条件と理由

  8. よくあるQ&A

  9. まとめ


1. インコタームズとは?

**インコタームズ(Incoterms)**とは、

国際取引において売主・買主の間で

「どこまでの費用・責任を負うのか」を

統一的に定義した貿易ルールです。

▶ 発行元:国際商業会議所(ICC)
▶ 最新版:Incoterms® 2020(※2025年改訂予定あり)


2. 輸入時によく使われる3大条件(FOB・FCA・EXW)

海外から商品を「輸入する側(バイヤー)」にとって、

頻出するのが以下の3条件です。

条件 貿易地点 説明 輸入者の負担範囲
FOB 船積港(本船に積込時) 本船に載せるまで売主が手配 輸送・保険・通関など
FCA 指定地(港・倉庫など) 指定地で売主が引き渡し そこから先すべて輸入者負担
EXW 売主の工場・倉庫 工場渡し。バイヤーがすべて手配 国内輸送からすべて買主

3. FOB(Free On Board)条件とは?

**FOB(本船渡し)**は、海上輸送の定番条件です。


売主の責任は「本船に貨物を積み込むまで。

それ以降は輸入者の責任になります。

特徴とポイント

  • 本船積込までの費用は売主負担

  • 船便の手配・海上保険・輸入通関はバイヤー側の手配

  • 貿易初心者でも交渉しやすい条件

メリット(輸入者にとって)

✅ 荷物の積載状況やスケジュール管理がしやすい
✅ フォワーダーを使えばコストコントロールが可能

デメリット

⚠ 現地港までの状況が見えづらい
⚠ 危険負担は船積み時点からバイヤーに移る


4. FCA(Free Carrier)条件とは?

**FCA(運送人渡し)**は、より柔軟な引き渡し条件です。
貨物を「倉庫」「港」「物流拠点」など、

指定の場所で売主が運送人へ引き渡します。

特徴とポイント

  • 船積港以外の場所で引き渡せるため、陸送や航空にも対応

  • FOBよりも新しいスタンダードとして広がっている

  • インボイスやB/L発行時に使いやすい条件

メリット

✅ 海上・航空どちらにも対応可能
✅ 複数の輸送手段を組み合わせやすい

デメリット

⚠ 引き渡し地点によって実務が複雑になることも
⚠ インボイス上で船積証明が必要な場合は注意


5. EXW(Ex Works)条件とは?

**EXW(工場渡し)**は、

売主が最小限の義務しか負わない条件です。

特徴とポイント

  • 売主は工場や倉庫で貨物を引き渡すだけ

  • 輸出通関もバイヤーが手配

  • 現地での集荷・搬出・通関まで買主が全責任

メリット

✅ 売主が非協力的な場合でも契約可能
✅ 自分でスケジュールの全工程や物流コストを管理したい場合に適している

デメリット(輸入者にとって)


⚠ 現地輸送会社や通関の手配に不慣れな場合はリスクあり


6. 各条件で変わる輸入者の「やるべきこと」

業務項目 FOB FCA EXW
海上運賃
海上保険
現地港での通関 × ×
現地輸送手配 ×
貨物引取・集荷 ×

※○:輸入者負担/×:売主負担/△:条件次第で変動


7. 海外から輸入する際のおすすめ条件と理由

FOB条件

  • 通関や船積みは売主に任せつつ、

  • 海上輸送は自社で管理できるため、

  • コストと納期を可視化しやすいのがポイントです。

FCA条件

  • 航空輸送や複合一貫輸送(マルチモーダル)を組む場合はFCAの方が実務に柔軟。

  • 書類の発行や責任の所在もクリアにできる。

EXW条件

  • 日本に信頼できる現地フォワーダーがいるならコスト・スケジュールでベストの方法。


8. よくあるQ&A

Q1. FOBとFCA、どちらが輸入者にとって有利?

→ 初心者ならFOBの方が管理しやすいです。FCAは慣れてから。
→ 船積証明や信用状(L/C)条件が関係する場合、FCAだと柔軟に対応できます。

Q2. EXWを選ぶべきシーンは?

→ 売主が中小企業で「輸出経験がない」場合。
→ 売主の物流手配やスケジュールの情報共有などに不満がある場合。

Q3. 輸送費はどこからどこまで含まれる?

  • FOB:船積み前まで売主負担。それ以降は買主負担

  • FCA:指定地点での引き渡しまで売主負担

  • EXW:工場での引き渡し以外すべて買主負担


9. まとめ|貿易条件を理解すれば、輸入コストもリスクも減らせる

FOB、FCA、EXWといった貿易条件は、

海外輸入において非常に重要な要素です。

FOB条件:初心者向け。海上輸送だけ自分で手配したいときに最適
FCA条件:輸送手段を柔軟に管理したい・L/C取引にも対応
EXW条件:日本に信頼できるフォワーダーがいる場合

貿易条件の理解は、輸入コストを最適化し、

トラブルを未然に防ぐ第一歩です。


条件選びに迷ったら、必ずフォワーダーや通関業者に相談して、

自社に合った取引スタイルを確立しましょう。

なお、弊社では世界各国に信頼できる代理店ネットワークを構築しており、

EXW条件のように現地対応が必要なケースでも、

迅速かつ確実な輸送手配が可能です。

条件選びに迷った場合も、お気軽にご相談ください。
フォワーダーとして、御社の国際物流を全力でサポートいたします。