【保存版】航空輸送の日数はどれくらい?実務で使えるリードタイムの考え方と注意点

国際物流において「とにかく早く届けたい」となったときに、
真っ先に検討されるのが航空輸送です。

実際に「航空輸送 日数」と検索する人の多くは、
納期に間に合わせるための判断材料として、
実際に荷物が届くまでの日数を知りたいと考えているはずです。

しかし、「日本からアメリカまで3日」といった単純な
情報だけでは、実際の業務判断には不十分です。

なぜなら、航空便のリードタイムには、フライト時間以外にも
複数の工程が含まれるため、状況によって大きく変わるからです。

この記事では、実際の現場感覚をもとに、
航空輸送の所要日数についてわかりやすく解説し、
よくある誤解や判断ミスを防ぐためのポイントをご紹介します。

 

 

1. 航空輸送の「日数」とは何を指すのか?

まず、「航空輸送の日数」という言葉が、
どこからどこまでを指しているのかを明確にしておく必要があります。

実務上、日数として考えるべきは以下の4つの工程です:

  • 集荷・搬入までの時間(輸出者 → 空港貨物地区)
  • フライトスケジュールと飛行時間
  • 現地での輸入通関時間
  • 配送(ラストワンマイル)

たとえば、「東京→ロサンゼルス 3日」と言われた場合、
それが「空港から空港まで」なのか、「ドア・ツー・ドア」
なのかで、1〜2日の差が出ることも珍しくありません。

2. フライトだけではわからない「実際の日数」

フライト時間は短くても、実際は時間がかかる理由

たとえば東京からシンガポールまでのフライト時間は約7時間。
しかし、実際に荷物が届くまでには最低でも2〜4日かかることが一般的です。

理由は以下のとおりです:

  • フライトが毎日出ているとは限らない(スペースの空きも影響)
  • 通関書類の不備や混雑で、通関に1日〜数日かかる
  • 輸送後の現地配送に日数が必要(特に郊外や地方)

 

したがって、「飛行機は速い」というイメージだけで判断すると、
納期遅延やコスト増加の原因になります。

3. 航空輸送の日数目安(主要仕向地別)

以下は、よく利用される都市間の実務的な
Door to Doorの目安日数です(一般的なフォワーダー利用時)。

発地 → 着地 フライト時間 実務的リードタイム(日)
東京 → ロサンゼルス 約10時間 3~5日
東京 → シンガポール 約7時間 2~4日
東京 → バンコク 約6時間 2~4日
東京 → フランクフルト 約12時間 3~6日
東京 → シドニー 約9時間 3~5日
東京 → ドバイ 約11時間 3~6日

 

※天候、混載かチャーターか、通関の難易度、
通関書類の整備状況などで日数は変動します。

4. 航空便の種類と日数の違い

航空輸送と一口に言っても、
輸送手段によってかかる日数には差があります。

 

【①クーリエ(DHL/FedEx/UPSなど)】

輸送から通関、配送まで一貫で対応

書類・サンプル・緊急物資などに多用される

通関が簡略化されている分、スピードが早い

リードタイム:2~4日

一方で、ある程度大きな貨物になると
費用が航空貨物より割高になるので注意です。
 

【② チャーター便】

特殊品・大型貨物・緊急輸送など

集荷→仕分け→搬入→フライト→通関→配送の工程

コストは高いが、スピードと柔軟性に優れる

リードタイム:1〜3日(予約・出発次第)

 

特に、緊急輸送(NFO)はスピード感は抜群である。

NFO”Next Flight Out”とは?国際物流の緊急輸送サービス –

5. 日数に影響を与える6つの要因

「航空ならすぐ届く」と思っていても、
実際には下記の要因によって予定より遅れるケースが多々あります。

① 混載便でのスペース不足

年末年始、春節、繁忙期はスペース確保が困難

出荷日が1〜2日後ろ倒しになることも

② 通関書類の不備

インボイスの記載ミスやHSコード不一致でストップ

特に植物検疫・化粧品・電子機器は要注意

③ 通関官の混雑・休暇

金曜日・祝日前・現地休暇前後は遅れやすい

特に途上国では通関処理が1〜2営業日必要

④ 配送地域の距離

空港からの距離が遠いと、追加で1〜2日必要

現地でトラック配送が込み合っている場合も同様

⑤ 天候・自然災害

台風・大雪・火山噴火などでフライトがキャンセル

複数の貨物が積み残し対象となることも

⑥ 書類貨物 or 商業貨物の違い

書類貨物は簡易通関、商業貨物は検査対象になりやすい

小ロットでも用途によって通関の煩雑さが異なる

6. 航空輸送の日数を短縮するための対策

では、できるだけスムーズに配送するためには、
どんな工夫ができるのでしょうか?

✅ 書類の正確性を重視する

インボイス/パッキングリスト/HSコードの整合性を必ず確認

商品説明は英語で詳細に記載する

✅ スケジュールに余裕を持つ

土日や祝日をまたぐ場合、+2日は見ておく

現地のカレンダー(例:インドの祝日など)も要確認

✅ フォワーダーとの連携を密にする

出荷予定日・通関区分・納品希望日を明確に伝える

フォワーダー側でも「緊急案件」として意識してもらう

✅ クーリエ便の活用

サンプルや書類レベルならDHL・FedExなどを活用

遅延保証やトラッキングシステムも使える

7. よくある誤解・失敗例

❌ 「飛行機なら翌日には届くだろう」と思っていた

→ 実際は、通関+配送で3日かかり、納期に間に合わずクレームに。

❌ 荷物を出したら相手に届くまで気にしなかった

→ 通関で保留され、現地の倉庫費用が発生。

❌ DAP条件だったのに、現地で関税が高くトラブルに

→ 到着日数だけでなく、税制・輸送責任範囲も事前確認すべき。

8. まとめ:航空輸送の日数は「早い」けれど「油断できない」

航空輸送は、確かに国際輸送の中では圧倒的に
スピードが早い手段です。

しかし、その日数は単純なフライト時間ではなく、

「集荷から納品までのトータルプロセス」

として考える必要があります。

  • 書類不備や通関トラブルを避ける工夫
  • 現地休日や繁忙期を見越したスケジューリング
  • 信頼できるフォワーダーとの連携

 

これらを適切に行うことで、
航空輸送のスピードを最大限に活かすことができます。